大東亜興亡史 日本軍・兵器名鑑 航空機編

このページでは 「大東亜興亡史 〜トラ・トラ・トラ ワレ奇襲ニ成功セリ〜」 に登場する日本軍の航空機の一覧をリスト表記しています。

このページは、その兵器の史実における歴史・概要を簡単に説明し、ゲームの時代背景を知る参考にして頂ければと思い作成したものです。
歴史に詳しくない方でもわかりやすいよう、初心者向きの解説を行っていますのでご了承下さい。

数値は 大東亜興亡史(PSP版/PS2版/PC版2) における能力で、そのユニットに関連した主要な能力のみを表記しています。
火力の表記は、主要武器の 「火力×射撃数」 です。 ただし射数が 1 の場合は省略しています。
射程は特に表記がない場合は1です。 弾数は主要武器のもののみ表記しています。

命中はゲーム中の表記は「損害力」ですが、ここでは解りやすく「対甲命中」「対軟命中」にしています。
回避もゲーム中の表記は「防御力」ですが、データでは解りやすく「回避」としています。

解説には、上段に史実における機体の概要、下段にゲームで使用する際のアドバイスを掲載しています。

陸軍戦闘機 九〇式艦上戦闘機 一型(海軍機ですが進化ルートの都合上、ここに分類)  九七式戦闘機 甲型
一式戦闘機 隼 一型甲  一式戦闘機 隼 二型甲  一式戦闘機 隼 三型甲
二式単座戦闘機 鍾馗 一型甲  二式単座戦闘機 鍾馗 二型甲
キ87 試作高高度戦闘機  四式戦闘機 疾風 一型甲
試作戦闘爆撃機 火龍  橘花

= 陸軍戦闘機 =

A2N1 九〇式艦上戦闘機  1932.12 Lv1
A2N1-1
九〇式艦上戦闘機
一型
火力/射数
1×2
対空命中
48
移動力
8-9
武器弾数
2
耐久/機数
2×10
対甲命中
22
対空回避
40
燃料
40
1932年、日中戦争が起こる5年ぐらい前に作られた艦上戦闘機だ。
当時のアメリカの戦闘機を元にしたものだが、日本人が始めて設計・製造を行っていて、その点では日本初の 「純国産戦闘機」 と言える。
当時は日本全体で主戦論が盛り上がっていて、軍に寄付をする「愛国運動」というのが行われており、その寄付金で作られた「報国号」が多く作られた機体でもある。
ただ、満州事変や上海事変という戦争が 1931年〜1932年 にあって、それから日中戦争が始まる 1936年 までの間の休戦期に配備されていた機体なので、実戦に参加する機会はあまりなかった。
ゲームでは 「火力がない・弾がない・燃料がない」 の三拍子揃ったダメダメ機体である。
でも最初はこの戦闘機から始めないといけないので、嫌でも使わないといけない。
燃料切れに注意しつつ、歩兵などを狙って経験を貯めたい所だが、最初のステージが終わった後で「ノモンハン事件」に進んだ場合は飛行機は当分出せない。 そして再び出せる時にはソ連戦闘機にボコボコされる。
「日中戦争」のルートに進んだ場合はいきなり零戦が出るので、こんな機体の出番はない。
と言う訳で色々な意味で困った機体なのだが、陸軍戦闘機を使いたいならがんばって育てるしかない。

キ27 九七式戦闘機  1937.2 Lv2
キ27甲
九七式戦闘機
甲型
火力/射数
1×2
対空命中
47
移動力
10-12
武器弾数
4
耐久/機数
2×10
対甲命中
20
対空回避
38
燃料
50
太平洋戦争が始まるまでの主力戦闘機。 当時としてはかなり優秀な戦闘機だった。
海軍&三菱が作った日本初の単翼戦闘機 「九六式艦上戦闘機」 を見て、陸軍&中嶋飛行機が 「俺たちもアレより強いのを作るぜ!」 と開発した機体で、実際に九六式艦戦の性能を上回った。
「ノモンハン事件」ではその機動力でソ連空軍を圧倒し、陸で敗退した日本軍の危機を救って、日本に戦闘機の有用性を再確認させている。
中国相手だとさらに圧倒的で、太平洋戦争でも初期に活躍、同盟国だったタイなどにも送られている。
ゲームでは、進め方によって使えるかどうかが変わってくる機体。
最初のステージで転進による経験値稼ぎを繰り返し、これに進化させた場合は、ノモンハン事件では史実通りに活躍できる。 弾数が増えているので使い勝手がいい。
しかし転進をせず普通にゲームを進めた場合、ノモンハン事件中にこの機体が登場する事はまずない。
日中戦争ルートに行った場合は零戦が早々に出るので、使う必要がない。
要するに、普通にゲームをしていると活躍させられない機体だ。
どうしても使いたいなら最初のステージで地道に経験値稼ぎをするしかない・・・

一式戦闘機 隼  1940.5 Lv3
キ43-T甲
一式戦闘機 隼
一型甲
火力/射数
1×2
対空命中
47
移動力
10-12
武器弾数
4
耐久/機数
2×10
対甲命中
20
対空回避
43
燃料
60
戦場が中国の山奥や東南アジアにまで拡大すると、従来の戦闘機では航続距離が足りなくなった。
そこで 九七式戦闘機 の燃料を増やし、軽量化して機動力も向上させた新型機の開発が行われた。
だが、それでなくも軽量化しまくっていた 九七式戦闘機 をさらに軽量化したので、機体がモロくなって急加速や急上昇で空中分解する事故が発生! 完成は大幅に遅れてしまった。
その後、機体はある程度強化されたが、軽量化のために装甲は薄く、重武装ができなかったので搭載した機関銃も小さめで、色々と問題が残る結果となってしまった。
陸軍戦闘機の主力 「隼」 だが、まだ未完成型であり、火力がたったの1しかない。
九七式戦闘機 より燃料や回避は増しているが、2回進化してこの程度の戦闘力では・・・
普通にゲームを進めている場合、零戦がとっくに出ていてそちらの方が全ての性能で勝るので、これを使うのは趣味に近いだろう。
まあ、このゲームでは陸軍機自体が趣味に近いので、育てるならそのつもりでがんばろう。

一式戦闘機 隼  1942.5 Lv4
キ43-U甲
一式戦闘機 隼
二型甲
火力/射数
2×2
対空命中
62
移動力
11-13
武器弾数
3
耐久/機数
2×10
対甲命中
40
対空回避
43
燃料
90
隼の一型は機体の強度に問題があり、武装も貧弱、燃料もまだ不足気味で、問題が多かった。
しかし開発会社の中嶋飛行機ががんばって改良を進め、機体を強化して装甲と燃料を増やし、武装も追加、それでも機動力を維持できるようエンジンもパワーアップした。
これが「隼」の二型で、これでようやく隼は完成したと言える。
武装は零戦が 20mm 機関砲だったのに対し、隼は 12.7mm 機関砲だが、これは零戦が大型機の撃墜も考慮していたのに対し、隼は純粋に敵戦闘機との格闘戦のみを重視していたかららしい。
火力が2になり命中もアップ、燃料も 90 に増え、ようやくまともに戦えるようになった隼なのだが・・・
零戦は最初から火力3、燃料も 120、命中も零戦の方が高いのだから、隼は不遇すぎる。
ここまでに3回の進化が必要だが、それでも零戦の初期型より弱いので、攻略面での利点は少ない。
隼を育てるのは、やはり趣味や好みの領域か・・・

一式戦闘機 隼  1944.4 Lv5
キ43-V甲
一式戦闘機 隼
三型甲
火力/射数
2×2
対空命中
62
移動力
11-13
武器弾数
3
耐久/機数
2×10
対甲命中
40
対空回避
43
燃料
110
隼の後期型。 エンジンが改良されたタイプだが、それ以外の性能や武装は二型と変わらない。
しかし隼は初期に機体がモロくて空中分解事故を起こしていたためか、機体の強化や改良が続けられていて、二型の後期や三型あたりになると、むしろかなりムリの効く安定性・信頼性の高い機体になっていたらしい。
零戦より加速力も高く、故障も少なかったため、大戦後期になるとアメリカ軍機には対抗できなくなっていたが、結果的には最後まで日本の主力を担っている。
ゲーム上の隼は相変わらずダメダメだ。 二型と戦闘力は全く同じで、燃料が増えているだけである。
特にダメなのが火力が2という点で、このゲームのアメリカ軍機は耐久がほとんど3以上なので、火力2では命中しても1発で落とす事が出来ないのだ。 このおかげで、使ってみると数値以上に弱く感じてしまう。
おまけに量産化できるのも遅すぎで、疾風や火龍への単なる障害に過ぎない。
地道に地上の歩兵でも狙うのがお仕事だろう・・・

二式単座戦闘機 鍾馗  1942.1 Lv3
キ44-T甲
二式単座戦闘機 鍾馗
一型甲
火力/射数
2×2
対空命中
61
移動力
11-13
武器弾数
3
耐久/機数
2×10
対甲命中
46
対空回避
43
燃料
90
第二次大戦中、ヨーロッパでは次々と重武装で重装甲の強力な戦闘機が作られていた。
その話を聞いた日本は 「このままじゃヤバーイ」 と思い、ドイツから技術・機体の提供を受け、それらを元にした重戦闘機の開発を行った。 それが「鍾馗」だ。
しかしドイツ軍機と日本軍機では当然設計が異なる訳で、開発は難航、当初は期待された性能が発揮できず、想定された装甲や武装も施せなかった。
だが、試作機がドイツの戦闘機 Bf109E と模擬戦を行ったところ、それを上回る性能を発揮、急遽生産が決定される。 しかし再び性能が見直されているため、やはり問題が多かったようだ。
ゲームでは 九七式戦闘機 からの進化となっており、隼の一型と同時期の登場となる。
隼の一型と比べると 火力・燃料・弾数 の全てにおいて勝るが、零戦と比べたら全てにおいて劣るので、やっぱり零戦の方がいい。
ただ、さらに進化すると耐久3の戦闘機になるのが利点。

二式単座戦闘機 鍾馗  1942.8 Lv4
キ44-U
二式単座戦闘機 鍾馗
二型甲
火力/射数
2×2
対空命中
61
移動力
12-14
武器弾数
3
耐久/機数
3×10
対甲命中
46
対空回避
46
燃料
80
「鍾馗」の完成系と言える機体。 エンジンを強化して速度を向上させたタイプだ。
ただ、日本はヨーロッパと違って戦場が広く、ヨーロッパで使われている戦闘機がベースの機体では、航続距離が足りない事が多かった。
加えて、日本軍機は旋回性能などの機動力を重視しており、ドイツのものは重武装・重装甲型だったので、戦法や操縦などをそれに合わせて変えなければ有効に活用できず、そうした対応をうまく取れなかった。
結果として、鍾馗は性能自体は悪くなかったのだが、戦略面・戦術面での対応不足により、その力を発揮することなく終わってしまった。
耐久が3の戦闘機だが・・・ 火力が2しかないので、火力不足が目立つ。
しかし隼や零戦よりも明らかに生存率が高いので、その点では便利であり、使えない機体ではない。
また、爆弾を装備しても(なぜか)何のデメリットもないという特殊な設定を持つ。
ここまで作るのに3回進化させないといけない事を考えると、決して良い機体とは言えないかもしれないが、量産出来るのが早めなので、雷電や紫電改が登場する前に作れれば耐久重視型の戦闘機として便利なはずだ。
ただし燃料が少なめで艦載機でもないので、やはり史実通り、航続距離は不足気味。

四式戦闘機 疾風  1944.4 Lv6
キ84-T甲
四式戦闘機 疾風
一型甲
火力/射数
3×2
対空命中
72
移動力
12-14
武器弾数
2
耐久/機数
3×10
対甲命中
52
対空回避
52
燃料
90
「しっぷう」ではなく「はやて」と読む。 陸軍戦闘機の集大成と言える機体。
「隼と鍾馗を元にしてパワーアップした戦闘機を作ろう!」と開発されたもので、武装が強力で装甲も高く、燃料も多く、新型エンジンの搭載によって速度もアップしている。
完成した試作機もかなりの高性能を示し、「大東亜決戦機」 と呼ばれて日本の主力となる事を期待された。
しかし新型エンジンがクセモノで、あまりにも精密なものだったため生産や整備が困難で、肝心な時に不良品や故障で動けない機体が続発! そのため整備が良い部隊では大活躍したが、整備がイマイチな部隊では戦力外と、強さにムラがある戦闘機になってしまった。
戦後、アメリカがこの機体をテストしてその性能に驚き「日本の最優秀戦闘機」と評価しているが、アメリカ並みの整備・補給体制がないと運用が難しい機体だったとも言える。
ゲームでは故障とか不良品とかないので、普通に強力な戦闘機だ。
零戦並みの攻撃力と回避力を持ち、耐久値が3! これで完全に零戦よりも強くなっている。
このゲームの米軍機は火力が2のものが多いため、耐久が3あると被弾時に1発では落ちなくなり、数値以上に有利になるのだ。
しかし同じ耐久3の雷電や紫電改と比べたら弱く、進化させる手間も零戦から進化できる雷電の方がラクなので、それを考えるとちょっと厳しい。
でも、ここまで進化させる事が出来れば、陸軍戦闘機でも十分に戦力となる。

キ87 試作高高度戦闘機  1945.2 Lv5
キ87
試作高高度戦闘機
火力/射数
4×2
対空命中
39
移動力
13-15
武器弾数
2
耐久/機数
3×10
対甲命中
21
対空回避
52
燃料
90
名前の通り、かなり高い高度を飛ぶ航空機を迎撃するために作られた戦闘機。
高度が高いと空気や酸素が薄くなるので、エンジンのパワーや機体の揚力(浮く力)が弱くなり、普通の戦闘機ではまともに飛ぶ事が出来なくなってしまう。
しかしその高空を飛べる B-29 という大型爆撃機をアメリカが開発、そのため日本ではそれを撃墜できる戦闘機の開発が急がれた。 その1つがこの機体だ。
だが、高空を飛ぶための 「排気タービン(俗に言うターボ)」 の開発がうまく行かず、他の戦闘機の開発・生産が優先された事もあり、試作機が数度のテスト飛行を行っただけで終わってしまった。
耐久3、火力4というところは非常に強力だが、命中率が低い。
しかし火力3の機関砲も持っていて、こちらは対空命中が 71 と高いので、使い分ける事が出来る。
他の能力も総じて高く、隼の三型から進化ではなく 「改良」 で作れる点も考えると優秀な機体だ。
弾数が少なめなのがやや難点だが、火力4の機関砲の命中率を搭乗員で補えば、かなり使える戦闘機になるだろう。 エースパイロット向けと言えるだろうか。

火龍  1945.10 Lv7
キ201
試作戦闘爆撃機 火龍
火力/射数
4×2
対空命中
43
移動力
14-16
武器弾数
2
耐久/機数
3×10
対甲命中
24
対空回避
50
燃料
60
大戦後期、ドイツは世界初の実用ジェット戦闘機 「Me262 シュワルベ(シュヴァルベ)」 を作った。
そしてこの機体の資料が潜水艦で日本に送られ、それを元に作る・・・ 予定だったのが 「火龍」 だ。
設計図は 1945 年には完成しており、対空戦と爆撃の双方を行える戦闘爆撃機になる予定だったが、試作機の完成前に終戦を向かえている。
ドイツの Me262 は、ジェットエンジンの速度によりベテランパイロットが乗ればかなり強力な戦闘力を持ったが、一般の兵士には扱い辛く、期待された戦果はあがらなかったようだ。
このゲームに登場するジェット機は総じて移動力は高いが、回避力はそうでもなく、燃料も少ない。
また、攻撃の命中率(損害力)も低いものが多いのだが、この機体はジェット機でありながら、命中率が 74 もある高性能な火力3の機関砲も備えている。
よって命中率の低い攻撃しかできないジェット機 「震電改」 よりも戦闘では使いやすい。
だが、燃料 60 はさすがに少ない・・・ 艦載機でもないし、常に補給に気を配る必要があるだろう。

橘花  19??.? Lv8
橘花
火力/射数
8×5 (×1)
対艦命中
33 (特攻)
移動力
14-16
武器弾数
1
耐久/機数
6×1
-- 対空回避
50
燃料
60
ジェット神風特攻機! これ以上の表現のしようがない。 特攻機 「皇国兵器」 の二号である。
火龍と同じく、ドイツのジェット機 「Me262 シュワルベ(シュヴァルベ)」 を元に作ったものだが、ジェットエンジンは高速だが燃費が悪く飛行時間が短かったため、軍部はこれを神風特攻に使おうと考えた。
特攻を目的に作られているため生産工程や部品が出来るだけ簡略化されており、サイズもやや小型で、他の航空機のパーツを流用していたりもする。
試作機が二度目の飛行試験で離陸に失敗、事故って修理中のまま終戦を向かえた。
ちなみに最初の特攻機である「桜花」にジェットエンジンを搭載する計画や、皇国三号兵器(三つ目の特攻機)である「梅花」などの開発も予定されていた。
どこまで特攻させたかったんだという感じである。
ゲーム上でも「特攻爆弾」しか装備できないので、特攻以外の使い道はない。
しかも特攻爆弾は攻撃速度が「丁(一番遅い)」なので、編成数が1機だけなこともあって、たいてい敵艦の反撃で攻撃前に撃ち落とされる。 攻撃出来ても命中率は低い。
でもこの機体は、使えるとか使えないとかいう話のものではないのだろう。
「特攻」の存在を正面から捕らえているゲームは、そう多くない。 不謹慎という人もいるかも知れないが、事実から目をそらせる事の方が、よっぽど不謹慎なはずだ。

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